顧客が「批判者」になる可能性を予測し、離反する前に顧客体験を改善

“米国に本社を置くグローバル・テクノロジー企業のIBMは、ネガティブな顧客体験を改善するために迅速に対応する、というだけでは満足していませんでした。IBMは、顧客が実際に不満を感じる前に、不満を感じるリスクがあるかどうかを知りたいと考え、これを実現するために、ネット・プロモーター・スコア早期警告システム(N.E.W.S)を構築しました。NPSの記録やサポートのチケット・システム、問題管理記録、運用メトリクスなど多数のソースを活用し、顧客がテクニカル・サポートにチケットを送信する瞬間に「IBMを推奨する可能性」のスコアを予測するモデルを開発しました。

IBMは、なぜこのシステムの構築に時間とエネルギーを費やしたのでしょうか?IBMのデータ・サイエンティストは、テクニカル・サポートのNPSデータを使用して、推奨者が存在する顧客の更新率は、他の顧客よりも大幅に高い、という分析結果を導き出していました。一方、批判者はより多くのサポートチケットを発行して運用コストを引き上げ、結果として収益を大幅に損失させています。IBMはN.E.W.S.によってこれらの課題に対抗できたのです。

この予測システムは、アンケートに回答しない83%の顧客に対しての予測も可能なため、同社は、批判者になる危険性の高い顧客に積極的に介入することができます。こうしてIBMは、顧客体験の低下の主な要因であり顧客の維持と取引の拡大に影響を与える「問題解決までの時間」を大幅に短縮することができるようになりました。

今やN.E.W.Sは、IBMにとって必要不可欠なツールです。同社は、また、NPSデータを活用して、どのような自社従業員がビジネスに大きな影響を与えるかを分析しました。ある事例では、主要な事業においてサポートを担当する社員が、130万ドルのサポート更新契約を確保できたのは顧客フィードバックを活用して先手を打ったおかげだとの分析結果を出しました。別の事例では、北米の営業担当者が大手自動車クライアントからのアンケートでLTRスコアが異常に低いことに気付きました。彼は、提案内容に問題があると素早く判断し、すぐにクライアントに連絡して状況を改善しました。顧客からのフィードバックに迅速に対処し、欠陥のある提案を修正することにより、その営業担当者は契約を維持のみでなく拡大することができ、100万ドルの損失を回避しました。

これらの事例は、約30,000人のIBM社員が定期的に顧客のフィードバックに目を通し、顧客にとって利益のある行動を行うという顧客中心主義の企業文化を推進することがいかに重要かということを示しています。

出典:ホワイトペーパー、インテリジェント・カスタマー・エクスペリエンス”

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