ネット・プロモーター・スコア®

ネット・プロモーター・スコアの定義

ネット・プロモーター・スコアは、企業の製品またはサービスに対する顧客の全体的な満足度、およびブランドに対する顧客のロイヤリティを表す数値指標です。企業の製品またはサービスを他の人に推奨する顧客の意欲を-100〜100の範囲の数値で表します。

ネット・プロモーター・スコアの計算

従来の顧客アンケートと異なり、顧客への質問は1問だけです。「0から10のスケールで、どの程度、この会社の製品やサービスを友人や同僚に勧めたいと思いますか?」という質問で、企業やブランドを友人や同僚に勧める可能性を11段階で評価していただきます。 その評価に基づいて、顧客は「批判者」、「中立者」、または「推奨者」の3つのカテゴリに分類されます。

批判者

「批判者」は、6以下のスコアをつけた顧客です。これらの顧客は、製品やサービスに満足していません。おそらく同社から積極的に再び製品を購入したり、サービスを利用したりすることはないでしょう。ネガティブな口コミ、ソーシャルポスト等によって、企業の評判を傷つける可能性もあります。

中立者

「中立者」は7または8のスコアをつけた顧客です。満足している部分もありますが、機会があれば簡単に他社の製品・サービスに乗り換える可能性があります。ネガティブな口コミを拡散する可能性は低いですが、それほど製品やサービスを気に入ってはいませんので、推奨してくれることもないでしょう。

推奨者

「推奨者」は、9または10と回答した顧客です。同社の製品やサービスが大好きな顧客です。リピーターであり、同社の製品やサービスに好意的な口コミを行い、新しい顧客、潜在顧客を作ってくれます。

ネット・プロモーター・スコア(NPS)は、全体における推奨者のパーセンテージから批判者のパーセンテージを引いて算出します。結果として得られる-100〜100のスコアがネット・プロモーター・スコアです。極端な例として、調査の結果、全ての顧客が6以下のスコアをつけた場合、NPSは-100となります。逆に、全ての顧客が9または10と回答した場合、ネット・プロモーター・スコアは100になります。

ネット・プロモーター・スコアの読み方

ネット・プロモーター・スコアは、第一線の従業員から経営層まで共有できるシンプルでわかりやすい指標のため、様々な業界で広く使用されています。推奨者よりも批判者が多い企業は、負のスコアをマークし、逆に批判者よりも推奨者が多い場合は、プラスのスコアをマークします。

ネット・プロモーター・スコアは、従業員が顧客体験を改善するためのアクションを起こす動機として使用できます。可能な限り最高の体験を顧客に提供することは、ブランドのファンを作るために役立ちます。最終的な目的は、満足度が低い、製品やサービスに満足していない顧客を、好意的な口コミなどで収益と利益の増加に貢献する推奨者に変えることです。

ネット・プロモーター・スコアは、高いほどビジネスが健全であることを示す傾向があります。スコアが低い場合、潜在的な離反者が多数存在する可能性を示唆しており、顧客満足度やロイヤリティ改善が必要なことへ警告と理解できます。ネット・プロモーター・スコアの平均は基本的に低めです。フレッド・ライヒヘルド氏が2003年に28業界で400社(HBRの記事「成長するために必要な1つの数字」)を計算したところ、ネット・プロモーター・スコアの中央値はちょうど16でした。

ネット・プロモーター・スコアの経済学

批判者と推奨者のバランスが、企業が成功する可能性を示します。マイナスのNPS指標からスタートする場合、推奨者を維持しつつ、批判者の気持ちを変えていく必要がありますので、はるかに多くの費用がかかります。批判者は否定的口コミをすることもありますし、カスタマーサービスを苦情でひっ迫させ、企業により多くの時間とリソースを割かせることになります。ネガティブな顧客体験により、製品やサービスのリピート顧客になる可能性もないと考えられます。

ファンや推奨者の場合は、逆のことが言えます。大好きな企業ですから、リピート購入が期待できると共に、カスタマーサービスの使用頻度も低くなります。友人や親戚に商品を勧めてくれることもあります。推奨者による無料の推奨活動によるメリットは、企業によるマーケティングや宣伝の効果を上回ることさえあります。フレッド・ライヒヘルド氏が述べたように、「本質的に推奨者は会社のマーケティング部門」になるのです。

この指標を最初に導入したBain and Coは、会社の成長とネット・プロモーター・スコアの相関関係を研究しました。その結果、ほとんどの業界で、会社の本源的成長率の20%〜60%がネット・プロモーター・スコアによって説明可能だと結論づけました。平均して、業界大手は、競合他社の2倍以上のネット・プロモーター・スコアをマークしています。(詳細については、Bain社のウェブサイト「NPS and Growth」をご覧ください。)

Bain and Coは、自社のWebサイトに、ネット・プロモーター・スコア・システムを使用している企業の一部のリストを掲載しています。リストはごく一部に過ぎませんが、ネット・プロモーター・スコアの人気と広範な使用を垣間見ることができます。リストはこちらから: NPSを使用している企業

ネット・プロモーター・スコアが御社に与えるメリットは?そして、NPSはどのように向上できるでしょうか?

組織のネット・プロモーター・スコアを時々計算するだけでは、長期的に価値を生み出すことはできません。同スコアが、組織全体として重要視する、より広範なエコシステムの一部となることが肝心です。

第1に、経営陣の支援と顧客体験改善への深い関与がなければ、マーケティングであれ、セールスであれ、オペレーションであれ、カスタマーサービスおよび顧客体験の担当チームであれ、企業のいずれかの部門が、プログラムの部門横断的な採用を獲得することは難しいでしょう。つまり、会社全体としての取り組みが必要です。

第2に、NPSエコシステムには、クローズドループが必要です。フロントラインの従業員は、顧客からのインサイトや組織の他部門からのリアルタイムのフィードバックに応じて行動できる環境が必要です。オペレーションであれ、セールスであれ、マーケティングであれ、獲得した情報を活用して、全員が学び、向上できなければなりません。

第3に、データが正しく分析される必要もあります。ネット・プロモーター・スコアの力はその指標の単純さです。しかし、企業がデータを分析し、批判的な顧客の体験の根本原因または単なる顧客を推奨者に変えた成功の要因を解明しない限り、将来の成長、収益性、持続可能性などを取りこぼすことになります。たとえば、すべてのコメントを読んで、タグを付け、分類して、パターンを見つけることによって、顧客体験改善への具体的な洞察が得られます。企業の経営陣がデータの背後にある「理由」を探し出し、それに応じて適応および進化することが最も重要なのです。

Medalliaによる実現方法

Medalliaのソフトウェアは、会社のネット・プロモーター・スコアを計算するだけでなく、スコアの背後にある「理由」も解明します。Medalliaのネイティブなテキストアナリティクスは、原文のフィードバックを自動的に分析し、会社の成果、および修正または改善できること(製品の問題、サポート、またはロジスティクスの問題など)を簡単に見つけて定量化します。Medalliaがあれば、当て推量は不要になります。

ネット・プロモーター・システムを使ったCXの変革

Medalliaが提供するBain CX Solution for NPSは、Bain社にて実証済みのネット・プロモーター・システム・フレームワークとMedalliaのクラス最高のExperience Cloudを統合した共同開発ソリューションです。このエンタープライズ規模のNPSソリューションは、顧客の声、従業員の声、および運用データを組み合わせて、多くの顧客体験を変革しています。このソリューションの詳細については、下記までお問い合わせください: bain_nps_solution@medallia.com.